木の話

なぜ乾燥?

優れた製品を提供するには乾燥が必要

乾燥という工程を行なう事によって、将来起こる狂い(反り・ねじれ・収縮)を防ぎ、強度を高める事ができます。

阪口製材所では人工乾燥と天然乾燥に対応し業務を行っております。

乾燥行程

■意義

木材の収縮・膨張に関与する結合水を少しでも多く抜き、木材に耐熱性を持たせながら木質機能を破壊せず乾燥すること。


■基本

水分を一番無理なく放出する温度・湿度・圧力になるよう乾燥室内を制御する。よって基本スケジュール+管理スケジュールが重要。


■達成度

含水率20%以下、結合水だけ残留したと仮定して25%が分岐点。
グレーディング行程に進める。

乾燥施設

人工乾燥

能力: 板材 400m3/回 (20~30日間)

天然乾燥

在庫: 柱材 20,000本 (200~350日間)
  ハリ材10,000本 (300~700日間)

■AD材
自然乾燥させた材です。経費は少なくてすみますが、多くの期間と場所を要します。(180~700日)
■KD材
強制的に乾燥させた材です。短い期間(14~30日)で乾燥させる事が出来ます。
  構造用材 内装材、家具等
求められる
乾燥度
含水率
20%
含水率
13%

u:含水率(%) W水:木材に含まれている水の重さ(g)
Wo:木材実質:水が含まれていない木材実質だけの重さ(g)
Wu:水分を含んでいる状態の重さ(g)

乾燥材の知識

木材を乾燥する方法として、天然(自然)乾燥と人工乾燥の2つがあります。
人工乾燥方式には、蒸気式(中温・低温) 蒸気式(高温) 除湿式 高周波加熱減圧方式 燻煙式等があります。詳しくは下記を参考にしてください。

乾燥方式 特徴 処理時間(処理後の含水率) 温度 一般的な容量(能力)m3 標準価格(万円) 乾燥コスト(円/m3)
蒸気式
(中低温式)
・最も普及。時間がかかる。
・表面割れが出やすい。
10~14日
(20~35%)
50~80℃ 10~30 1000 9000
蒸気式
(高温式)
・乾燥が速い。こげた感じになる。
・表面の割れが少ない。
・操作が難しい。内部割れを起こす。
・芯が腐りやすい。設備の耐久性が悪い。
2~3日
(20~30%)
100~130℃ 10~30 1200 7500
除湿式 ・操作が簡単で、失敗が少ない。
・長い時間かかる。桧用の乾燥。杉は駄目。
15~30日
(20~40%)
35~50℃ 10~30 1200 10000
高周波加
熱減圧方式
・急速乾燥ができる。桟積みが不要。
・設備費が高い。困難な材でも乾燥が出来る。
1日
(30~40%)
3~4日
(20%)
35~95℃ 10~20 4500 12000
燻煙式 ・杉に向いている。品質管理が難しい。
・製材後の乾燥が別途必要。丸太で出来る。
・内部の成長応力が緩和され、歩留まりが向上。
10~14日
(30~60%)
100~150℃ 20~100 700 4600

天然(自然)乾燥は、場所さえあれば設備は殆どかからない。ですが、その土地の気候条件に支配され長い乾燥時間を要します。乾燥中過酷なために割れの症状やカビや腐朽菌の被害を受けやすいです。

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